電動工具のバッテリーには、モバイルバッテリーやノートパソコンに使われるバッテリーよりも高い性能が求められています。電動工具に使われるバッテリーは、数十分で放電してしまう高負荷な作業から、軽い負荷で長時間放電する用途など様々な使用方法が想定されています。そのため電動工具などに使われているバッテリーには大きな負荷が掛かる場合でも安全・確実に電力を供給できる高性能なセルが採用されています。この条件を満たせる高性能で高価なセルを採用せざるを得ないのが現状です。
しかし、ネット通販などで販売されている互換バッテリーは、電動工具の純正バッテリーとは比べ物にならないほど安い価格で販売されています。これは一体何故なのでしょうか。
なぜ互換バッテリーは安いのか、理由を考える
互換バッテリーは、主に通販サイトによって販売されており、電動工具メーカー純正のリチウムイオンバッテリーよりも安価な価格で販売されています。
現在、電動工具に使用されている高出力なリチウムイオンバッテリーは、EV車・電動バイク需要から市場価格が高騰しており、原料のレアメタルの高騰も重なって値上がりが進んでいる状態が続いています。
一般的に、電動工具用のバッテリーは高容量・高出力のグレードの高いリチウムイオンバッテリーを採用していて、販売価格も一般的なリチウムイオンバッテリーより高い傾向にあります。
推測として、通販サイトで安価な価格で販売されている互換バッテリーが価格を安くできる理由としては、下記の3点が考えられます。
容量を偽って販売(6.0Ah表記だが実質4.0Ahなど)
高レート充電・大電流放電に対応していない安いバッテリーセルを採用している
EVや電動バイクのバッテリーを電動工具用にリサイクルしている
電動工具用リチウムイオンバッテリーを供給する